2020/08/14 22:38 更新
三角形の内角の和は何度?
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目次

序論

小学、中学数学の図形問題では、三角形の内角の和が180度であることをよく用いますね。
小学校では折り紙を使って実験的に観察し、中学校では錯角によって証明を行いました。
しかし、やっぱり計算で求めたい欲望に駆られますよね。本記事では複素数を使って証明してみました(^^)

複素数、とは??

複素数とは、実数と純虚数の和です。かの有名なオイラーの公式を用いると、複素数$z$は、絶対値を$r$、偏角を$\theta$と置くと、

$$z=re^{i\theta}$$

という式が成立します($\theta$は弧度法です)。
そして、この式から簡単に証明できるように、任意の複素数$z_1,z_2$に対して、

$$\arg{(z_1z_2)}=\arg{z_1}+\arg{z_2}$$

という性質が成立します。本記事では、これを用いて、三角形の内角の和が180度であることを証明します。

本題

$\triangle OAB$を考えます。点$O$を原点とした複素平面を考えます($OA$が実軸と一致するように座標を取ります。$B$が実軸より下にある場合、$A$と$B$を入れ替えて考えてください。)。点$A,B$をそれぞれ$z_1,z_2$とします。角度を計算すると、

$$\begin{aligned} \angle AOB=\arg{\frac{z_2}{z_1}} \\ \angle OBA=\arg{\frac{z_2-z_1}{z_2}} \\ \angle BAO=\arg{\frac{-z_1}{z_2-z_1}} \end{aligned}$$

です。したがって、

$$\begin{aligned} &\angle AOB+\angle OBA+\angle BAO=\arg{\frac{z_2}{z_1}\frac{z_2-z_1}{z_2}\frac{-z_1}{z_2-z_1}} \\ &=\arg{(-1)}=\pi \end{aligned}$$

となり、三角形の内角の和が180度であることが分かります。(^o^)