2020/11/08 20:25 更新
ポアソン分布の期待値を楽チンに計算する方法
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目次

※この記事は、二項分布の期待値を楽チンに計算する方法を参考に書いているため、著しい既視感があると思われます。しかし、それこそが、統一性のある導出法であることの証拠です。

ポアソン分布とは

確率変数$X$が、

$$P(X=k)=\frac{e^{-\lambda}}{k !}\lambda^{k}$$

に従う分布です。今回は、ポアソン分布の期待値を簡単に計算する方法を紹介します。
期待値の定義より、期待値は

$$E[X]=\sum^{n}_{k=0}k\frac{e^{-\lambda}}{k !}\lambda^{k}$$

です。高校では、マクローリン展開を習わないため、極限をガリガリ計算すると思いますが、ここでは微分を使います。そしてこの手法は、二項分布の期待値計算にも適用できます

それでは計算始めましょう!

計算

まず、$e^\lambda$のマクローリン展開を思い出します。

$$e^\lambda=\sum^{n}_{k=0}\frac{1}{k !}\lambda^{k}$$

両辺の$\lambda$微分も等しいです。(厳密には収束半径とか項別微分を考える)
よって、

$$e^\lambda=\sum^{n}_{k=0}k\frac{1}{k !}\lambda^{k-1}$$

です。両辺に$\lambda$をかけると、

$$\tag{1} \lambda e^\lambda=\sum^{n}_{k=0}k\frac{1}{k !}\lambda^{k}$$

が分かります。
あとは、今回計算したい期待値の定義に合わせて、両辺に$e^{-\lambda}$を掛けると、

$$E[X]=\sum^{n}_{k=0}k\frac{e^{-\lambda}}{k !}\lambda^{k}=\lambda$$

が分かります。

おわりに

実は、式(1)で、もう一回$\lambda$微分を計算すると、$E[X^2]$が計算できます。すると、自明に、分散も$V[X]=E[X^2]-(E[X])^2$より、計算でき、$V[X]=\lambda$が導出できます。
分散は読者の演習問題としますが、答え知りたい人はコメント貰えば、こっそり教えます笑。

それでは、ごきげんよう!