2020/06/10 23:31 更新
等速円運動における向心力
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目次

前提知識

ベクトルと微分を学んだ高校生、高専生

まえがき

物理の授業にて、向心力の大きさを以下の式で求められると学んだのではないだろうか。

$${\displaystyle F=mr\omega ^{2}}$$

私の高専では、これを速度ベクトルの矢印を書いて、導出した。しかし、ベクトルと微分を学んだ学生ならば、容易に数式だけで導出できるため、それを解説する。

本題

等速円運動

まず、等速円運動を定義する。等速円運動とは、位置$\vec{x}$が以下の式に従う運動である。

$$\vec{x}=(r\cos\omega t,r\sin\omega t)$$

ニュートン力学

ニュートン力学では、力$\vec{F}$と位置$\vec{x}$の関係は以下の式で表されられる。

$$\gdef\dd{\mathrm{d}} \gdef\dv#1#2{\frac{\dd #2}{\dd #1}} \vec{F}=m\dv{t^2}{^2\vec{x}}$$

等速円運動の式を代入すると、

$$\dv{t^2}{^2\vec{x}}=(-r \omega ^2\cos\omega t,-r\omega ^2\sin\omega t)$$

である。したがって、向心力の大きさは

$$\gdef\abs#1{\left|#1\right|} \abs{\vec{F}}=mr\omega^2\sqrt{\cos^2\omega t+\sin^2\omega t} =mr\omega^2$$

である。方向は$\vec{F}=-m\omega ^2 \vec{x}$より、$\vec{x}$と反対方向であることが分かる。

おわりに

ニュートンは地球の公転(等速円運動)を計算していたら、向心力の存在に気が付き、そこで万有引力の存在に気がついたらしいです。(ほんとかしらん。りんごが本当なのかも)
先人達のおかげでいまや高校生でも、こんなに、簡単に向心力を計算できるなんて、感謝の正拳突きしたい気分です。