2020/11/22 19:12 更新
1+2+3+...+n = n(n+1)/2の恒等式を用いた証明
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目次

はじめに

$$\sum^n k = 1+2+3+...+n = \dfrac{1}{2}n(n+1) $$

若き日のガウスが洞察・発見したこの式[^1]は、予備知識なしに証明するには容易でない。高校数学において本式は、ほとんど暗記するしかない重要な式の1つである。類似の二乗和[^2]、三乗和[^3]の公式もいざという時に思い出しにくい式になっている。本稿では、これらを統一的に導けるよう、恒等式を用いた証明を示す。

[^1]: $(1+2+3+...+50) + (50+49+48+...+1) = 51\cdot50 \Leftrightarrow \displaystyle\sum^{50} k = \dfrac{1}{2}50\cdot 51$
[^2]: $\displaystyle\sum^n k^2 = \dfrac{1}{6}n(n+1)(2n+1)$
[^3]: $\displaystyle\sum^n k^3 = \{\dfrac{1}{2}n(n+1)\}^2$

承前

恒等式$(k-1)^2 = k^2 - 2\cdot k + 1^2$を用いる。

$$ (1-1)^2 = 1^2 - 2\cdot 1 + 1^2 \\ (2-1)^2 = 2^2 - 2\cdot 2 + 1^2 \\ (3-1)^2 = 3^2 - 2\cdot 3 + 1^2 \\ ... \\ (n-1)^2 = n^2 - 2\cdot n+ 1^2 \\ $$

これら$n$個の恒等式を全て足す。

$$ 0^2+1^2+2^2+...+(n-1)^2 \\ = 1^2 + 2^2 + 3^2 + ... + n^2 - \sum^n 2\cdot k + \sum^n 1^2$$

二乗和のうち、左辺は$0$となり、右辺は$n^2$が残る。

$$\begin{aligned} 2\sum^n k & = n^2 + \sum^n 1^2 = n^2 + n = n(n+1) \\ \end{aligned}$$

したがって、$\displaystyle\sum_{k=1}^n k= \dfrac{1}{2}n(n+1)$

二乗和の公式

同様に、恒等式$(k-1)^3 = k^3 - 3\cdot k^2+ 3\cdot k - 1^3$を用いる。

$$ (1 - 1)^3 = 1^3 - 3\cdot 1^2 +3\cdot 1 - 1^3 \\ (2 - 1)^3 = 2^3 - 3\cdot 2^2 +3\cdot 2 - 1^3 \\ (3 - 1)^3 = 3^3 - 3\cdot 3^2 +3\cdot 3 - 1^3 \\ ... \\ (n - 1)^3 = n^3 - 3\cdot n^2+ 3\cdot n - 1^3\\ $$

これら$n$個の恒等式を全て足す。

$$0^3+1^3+2^3+...+(n-1)^3 \\= 1^3 + 2^3 + 3^3 +...+ n^3 - \sum^n 3\cdot k^2 +\sum^n 3\cdot k - \sum^n 1^3$$

三乗和のうち、左辺は$0$となり、右辺は$n^3$が残る。

$$ \begin{aligned} 3 \sum^n k^2 & = n^3 + 3 \sum^n k - \sum^n 1^3 = n^3 + \frac{3}{2} n(n+1) - n\\ &= n^3-n + \frac{3}{2}n(n+1) = n(n+1)(n-1) + \frac{3}{2}n(n+1)\\ &= n(n+1)( n -1 + \frac{3}{2}) = n(n+1)\cdot \frac{1}{2}(2n+1)\\ \end{aligned} $$

したがって、$\displaystyle\sum_{k=1}^n k^2 = \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)$

終わりに

本稿のアプローチは、スミルノフ高等数学教程1(P.199)で発見した。オリジナルのアプローチでは、恒等式は$(1+k)^3 = 1^2 + 3\cdot k^2 +3\cdot k + k^2$ を使用している。本稿では後段の計算が簡略化されるよう工夫して恒等式を選んだ。