2020/08/04 15:14 更新
暗算で求める部分分数分解
1016 いいね ブックマーク

前語り

部分分数分解って、地味に計算めんどいですよねー。部分分数分解の計算は、楽な方法があって、大学入るまでそれを知らなかったので、共有したいと思います。知ってる人からしたら、何を今更!という感じだと思います^^;

部分分数分解

本記事では、

1(s1)2(s2)\frac{1}{(s-1)^2(s-2)}

を例に説明したいと思います。部分分数分解とは、

1(s1)2(s2)=As1+B(s1)2+Cs2\frac{1}{(s-1)^2(s-2)}=\frac{A}{s-1}+\frac{B}{(s-1)^2}+\frac{C}{s-2}

が恒等的に成立する、A,B,CA,B,Cを計算する問題です。積分や逆ラプラス変換を考えると、よく出てきますよね。

解法1

個人的によく見る方法では、(s1)2(s2)(s-1)^2(s-2)を両辺にかけて、連立方程式を導出します。つまり、

1=(s1)(s2)A+(s2)B+(s1)2C=(A+C)s2+(3A+B2C)s+2A2B+C\begin{aligned} 1&=(s-1)(s-2)A+(s-2)B+(s-1)^2C \\ &=(A+C)s^2+(-3A+B-2C)s+2A-2B+C \end{aligned}

より、

{A+C=03A+B2C=02A2B+C=1\begin{cases} A+C &= 0 \\ -3A+B-2C & = 0\\ 2A-2B+C&=1 \end{cases}

を導出して、これを解きます。めんどいですよね、これ。

解法2

次は、殆ど暗算で出来る方法です。先程、

1=(s1)(s2)A+(s2)B+(s1)2C1=(s-1)(s-2)A+(s-2)B+(s-1)^2C

という式がありました。恒等式なので、これにs=2s=2を代入してみます。すると、

1=C1=C

が分かります。次に、s=1s=1を代入してみます。すると、

1=B1=-B

が分かります。最後に、AAが知りたいので、適当にs=3s=3を代入してみます。すると、

1=2A+B+4C1=2A+B+4C

より、

A=1A=-1

が得られます。解法1で導出した、連立方程式を満たす事も確認できます。

後語り

もっと楽な計算方法あったらぜひ教えて下さい!!