2020/05/01 16:13 更新
対数微分法
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目次

前提知識

対数関数の微分を学んだ高専生とか

本題

対数関数の微分を学んだ学生は、ネイピア数の重要な性質を学んだであろう。それは、$f(x)=e^x$の微分は$f'(x)=e^x$になるというものだ。
$f(x)=a^x$の場合も、$f(x)=e^{x\ln{a}}$と考えることによって、合成関数の微分法によって、計算することが出来る。
それでは、$x$の指数関数、$f(x)=x^x$はどのように計算できるだろうか。
これは、非常に急激に増加する関数である。
それでは、この関数を対数微分法により微分する。まず両辺の対数を取ると、

$$\ln{f(x)}=x\ln x$$

である。両辺を微分すると、

$$\frac{f'(x)}{f(x)}=\ln x+1$$

となり、

$$f'(x)=x^x(\ln x+1)$$

と計算できた。対数微分法とは、このように対数とってから微分するだけに過ぎないのである。
次に、さらに急激に増加する関数$g(x)=x^{x^x}$も同様に計算してみると、

$$\begin{aligned} \ln{g(x)}&=x^x\ln x =f(x)\ln x\\ \frac{g'(x)}{g(x)}&=f'(x)\ln x+\frac{f(x)}{x} \\ g'(x)&=x^{x^x}\left(x^x(\ln x+1)\ln x+x^{x-1}\right) \end{aligned}$$

このようにして、いくらでも深い指数関数を対数微分法により計算できる。